ステーブルコインはあらたな錬金術か?
ステーブルコイン発行者は、たとえば米ドルを受取り、USDのステーブルコインを発行します。法律にもとづき、裏付けとなる資産(米ドル、米国債、現金同等物等)により、1対1の担保を保有します。
もし仮に、米ドルを受取り、USDを発行し、米国債を購入して裏付けをする場合、①米ドル → ②USD+米ドル にドルの市場流通量が2倍になります。
元々は米ドルしかなかったのに、米ドルをUSDステーブルコインにすることで、市場には今、米ドル+USDステーブルコイン の2つの価値が存在することになります。
※預けた米ドルは米国債を買うことで、米国債の売り手にわたります。にもかかわらず、USDステーブルコインは相変わらず米ドルと同等の価値をもちます。つまり、市場にあらたな価値を生み出しています。
【米ドルしかない世界】
Aさん:米ドルをもつ、Bさん:何も資産を持っていない、Cさん:米国債をもつ
【USDステーブルコインがある世界】
Aさん:米ドルをUSDステーブルコインに変換する、Bさん:USDステーブルコインを発行し、米ドルを受取り、その米ドルで米国債を購入する
結果:
- Aさん:USDステーブルコイン(=米ドルと等価)
- Bさん:米国債(=USDステーブルコインを裏付ける)
- Cさん:米ドル
最初は、せかいに ①米ドル と ②米国債 しか存在していなかったのに、USDステーブルコインを発行することで、市場に存在する資産の量が増えました。